9月号(へいせい9ねん9がつ1にち)

犯人は隣の住リス

 某月某日、ぴっぴ嬢が貯めていたピーナツの窃盗事件について、隣の住人のたっぷ氏に問いただしたところ、出来心で盗みを働いたことを自白した。
 たっぷ氏が日頃から手先の器用さを生かして、金網の下に落ちたエサを上手に取っているところは何度も目撃されていたが、隣のエサまで取れるとはと、飼い主は驚きを隠せない様子だった。


厳しい追及に、すまなさそうに自白するたっぷ氏
透明な壁にご用心


 たっぷ氏やぴっぴ嬢は、よくカゴの側面の網に捕まって外に向けて用を足していたが、これにより飼い主はカゴの回りに多大な被害を受けていた。これに堪えかねた飼い主は、ついにカゴの側面のほとんどを透明プラ板で覆ってしまった。もちろん、入口や水飲みボトルの場所は穴を空けてある。
 これにより、回りの被害は大幅に軽減し、リスたちも見かけは変わらないためか、この透明な壁を気にする様子もなかった。
 ただ、外に遊びに出たときに、自分のカゴに戻ろうとしてこの透明な壁に激突し、無惨に滑り落ちていく情けないリスが約1ぴき確認された。

すれ違いのリスたち

 たっぷ氏とぴっぴ嬢のカゴは、中央に仕切りがあるだけのひとつのカゴ。仕切りを上げるとご対面となるわけである。
 ところが、この仕切りをあげると、二匹はそれぞれのエサバコ目指してすれ違い、相手が貯めているエサを頬いっぱいに詰め込むのであった。
 この二匹の恋が成就する日は……遠い。

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